「フロントエンドとバックエンドの違いとは?」
「どんなスキルが必要で、将来性はあるの?」
これからプログラミングを学ぶ方が最初に考えたいのが、フロントエンドとバックエンド、どちらを専門にするかということ。2つでは身につけるスキルや適性に差があるのにも関わらず、よく理解しないまま学習を始めてしまう方も多くいます。
しかし、そもそも学ぶ言語や、出来るようになることも異なるので、よく考えずに勉強してしまうと時間を無駄にしてしまいます。
プログラミングを習得して現場レベルになるまでには1,000時間ほどかかるとも言われており、スタートを間違えて学び直すのは避けたいところでしょう。
8割以上の方が学習の途中で挫折してしまうと言われる理由の一つが、「モチベーションが保てなかった」というもので、興味を持続させるためにも、フロントエンドとバックエンドどちらを学びたいのか最初に明確にするべきです。
そこでこの記事では、違いがわからないことで目標が定まらず、勉強を始めたものの時間が無駄になってしまうことを防ぐために説明していきます。
そこで本記事ではフロントエンドとバックエンドについて
- 内容
- それぞれの需要
- 必要なスキル
- 性格的な向き不向き
といった様々な側面から違いを比較します。
どちらに進むべきなのか迷っている方も、この記事が参考になるので、是非最後までご覧ください。
フロントエンドとバックエンドの違い

Webサイトやアプリは、大きくわけて2つの仕組みによって動いています。その2つとは「フロントエンド」と「バックエンド」です。さっそく、違いについて見ていきましょう。
フロントエンドとは?
フロントエンドはWebサイトやアプリの中で、ユーザーが直接目にして、触れる部分をさします。ユーザーが操作する部分に直結するため、別名「クライアントサイド」とも言います。
例えば以下の3つは、ユーザーが日常的によく使う部分です。
- 文字の入力
- ボタンのクリック
- 操作画面
フロントエンドの仕事をするにあたって、必要な言語は以下の3つです。
- HTML
- JavaScript
- CSS
また、Webサイト全体を構築するために、バックエンドで用いるPHPも触れると有利です。
バックエンドとは?
バックエンドは、ユーザーの目に見えない部分のことを言います。裏側の部分なので、ユーザーが目にすることはありません。別名を「サーバーサイドエンジニア」といいます。
「サーバーサイド」とはサーバー上で動くデータやプログラミングのことです。スマートフォンやPCがネットワーク上でサーバーにアクセスしてサービスやデータを共有します。
主に以下の、裏側の処理を担当します。
- サーバー構築
システムに必要なサーバーの構築を行います。 - プログラム開発
データベースにデータを保存したり、必要な内容を抽出したりするプログラムを開発します。
バックエンドの仕事に必要な言語は5つです。システムなどにより、言語は変わります。
- Java
- JavaScript
- PHP
- Python
- Ruby
フロントエンドでも紹介したJavaScriptはバックエンドでも使える言語です。Javaはアプリ開発、PythonはAIや機械学習の分野が得意など、それぞれ適性が異なるため、最終的に作りたいもので言語を選びましょう。
表方と裏方!フロントエンドとバックエンドの仕事内容の違い

フロントエンドとバックエンドでは、全く仕事内容が異なります。仕事内容について、下記で紹介していきます。
フロントエンドの仕事内容
フロントエンドの仕事は、ユーザーがいかに見やすく、使いやすいWebシステムにできるかです。
ユーザーが使うWebサイトの画面を、プログラムに落とし込んで見やすいサイトを実現します。例えば、以下のデザインです。
- ホーム画面
- ログイン画面
フロントエンドエンジニアの技術によって、多くの人がスマホやPCを快適に使うことができ、ユーザーのストレスの軽減にもなるので、とても重要な仕事です。
バックエンドの仕事内容
バックエンドの仕事は、サーバー側のシステム構築やデータベース構築を行います。つまり、Webサービスの心臓部ともいえる部分であり、バックエンドがなければシステム自体も成り立たないため、とても重要です。
- データベースの保存場所や保存方法
- データを渡す方法
といった内容をプログラムで作成します。
フロントエンドとバックエンドの今後の需要

フロントエンド、バックエンドともに需要は高いと言われており、今後の心配はありません。しかし、もし未経験から目指すのであれば、フロントエンドエンジニアの方がよいでしょう。
フロントエンドは、インターネット・スマートフォンの普及により、ますます必要とされる分野です。Webサイトの数は年々増加しており、サイトの数だけフロントエンドエンジニアが求められます。
ソフトウェア開発を専門とする調査会社であるRedMonkのランキングでは、数年前からJavaScriptが首位になっており、これらの言語を多用するフロントエンドエンジニアは、将来的に需要が高いことがわかります。
バックエンドエンジニアはシステムごとに求められる言語がわかれることもあり、希少なためニーズがあります。
ただし、現在は開発環境が整い、ソフトウェア開発のプラットフォームが進化したことにより、バックエンドの開発が以前よりもスムーズに行えるようになりました。
今の現状から、最新の技術に対応できないエンジニアは需要が減ると言われています。プログラマーのような「仕様に沿ったシステム構築」などの仕事は、AIや自動化の代替えによって減少していくでしょう。
しかし、技術が進化してもエンジニアにしかできない仕事もあり、プログラムの修正や改修などの仕事は今のところ知識と経験を積んだ、技術者にしかできません。
そのため、自動化の波をいちはやく察知し、知識の習得を怠らない人が残っていきます。
フロントエンドとバックエンドに最低限必要な身に付けるべきスキル

フロントエンドとバックエンドでは、それぞれ身に付けておきたいスキルがあるため、紹介していきます。
フロントエンドに必要なスキル3つ
フロントエンドで求められる、以下の3つのスキルを紹介していきます。
- HTML/CSS
HTML・CSSはWebサイトを作成する際に、必要とします。現在はHTMLは、Webサイトの構造を作る言語です。ボタンや文字、表の位置を指定するのに使われます。
一方CSSは、Webページに色を付けたり、文字サイズを変えたりするなど、見た目を整える言語です。2つの言語を用いることで、サイトの形を整えます。
HTML5とCSS3が標準となっているため、これらのバージョンを学習しましょう。HTML・CSSは、機械に動きを命令するものではないため、厳密にはプログラミング言語ではありません。ただし、プログラミング言語に比べて習得が容易と言われているため、プログラミング初心者にはおすすめです。 - JavaScript
フロントエンドエンジニアの核となる言語です。ポップアップウィンドウやアニメーションの表示など、Webサイト上の動的な動きを表現することが可能で、多くのサイトに使われています。 - デザインフレームワーク
ゼロからWebページやアプリを作ることもありますが、開発現場によってはフレームワーク(枠組み)を使います。
フレームワークとは、プログラムを作る上でよく使う素材をあらかじめ用意したテンプレートのようなものです。
フレームワークを使うことで、コーディングの手間を抑えて、早くWebページを作ることができます。
バックエンドに必要なスキル3つ
バックエンドでは多くのスキルを必要としますが、以下の3点が求められます。
- 言語スキル
バックエンドも同様に必要なのは、言語スキルです。プログラミング言語がわからなければ、開発することができません。
Pyton、PHP、Ruby、JavaScript、Go、Java、C++など、作るシステムによって使うものが異なります。 - ミドルウェアの知識
OSとアプリケーションの中間地点におけるものです。
Apache・MySQL・LAMPの3つがあげられます。 - フレームワークのスキル
システム開発の時に、効率化してくれる機能のことをいいます。有名なフレームワークとして次の7つが有名です。Ruby on Rails、Django、Laravel、CakePHP、Symfony、Codelgniter、Expressです。
フロントエンドとバックエンドに向いている人
エンジニア初心者の方は、フロントエンドかバックエンドどちらに進むべきか迷うと思います。どちらが向いているのかそれぞれ特徴を紹介していきます。
フロントエンド
HPの見た目・表示部分のユーザーに関わる部分に携わりたい方は、フロントエンドがよいでしょう。
向いている人
- デザインに興味がある
- サービス精神旺盛
- ニーズやトレンドに敏感
ユーザーが便利に活用するために、デザインに興味を持っていたり、サービス精神が旺盛であったりすることが求められます。
「ユーザーはどんな流れで、Webサイトを使っているのか?」や「どんなデザインが使いやすいのか?」ユーザーのニーズに敏感な人はこの仕事に向いているでしょう。
向いていない人
人に興味がない人にはあまり向いていません。フロントエンドで活躍するためには、ユーザーがどうしたらより満足するかという視点が求められ、実際に利用したシーンを想像してプログラムを組む必要があるからです。
さらに自分の固定概念にとらわれていると、多くのユーザーに使いやすいシステムを提供できないので、柔軟な考え方が求められます。
バックエンド

システムやサーバーなどの裏側に関わりたい方や細かい作業が苦にならない方には、バックエンドがおすすめです。
向いている人
- システムの仕組みに興味がある
- 細かい作業がすき
- 裏方の作業がすき
バックエンドはシステムの根幹を支えるものの、直接目で見られません。そのため、周りのサポートや裏方の作業が好きな人に向いています。また、仕組みそのものに興味がある人もバックエンドが合うでしょう。
向いていない人
- 最新のテクノロジーに興味がない
- 課題意識がない
- 論理的思考が苦手
バックエンドエンジニアで活躍するには、セキュリティやネットワークなど、より広範な知識が求められます。そのため、テクノロジー全般に興味があり、課題意識を持っている人ではないと、苦痛に感じるでしょう。
またバックエンドの動きは直接目に見えないため、希望とする動きを実現するには論理的思考が必須。ロジカルに考えられないと不具合の原因が特定できず苦戦する可能性があります。
フロントエンドとバックエンドをわけるメリットを2つ紹介
作業工程をわけるメリットとしては、以下の2つが挙げられます。
- バックエンドが簡潔になる
- 並行作業ができる
バックエンドが簡潔になる
従来のWebシステムで実施していた、次のような機能をフロント側で実施することにより、バックエンドはWebAPI(REST)として作成することができます。
- HTMLレンダリング
- セッション管理
- ルーティング
並行に開発できる
フロントエンドやバックエンドでは、使用する技術や考えるポイントが異なるため、それぞれ担当するチームで開発することにより、多くの工程をこなすことができる。
エンジニアとして働くなら「フルスタック」に挑戦!めざすべき理由

もしエンジニアとして働くのであれば、フロントエンドとバックエンド、両方の業務を一人でこなせるようになると市場価値が上がります。このエンジニアの名称は「フルスタックエンジニア」です。
また「万能エンジニア」と呼ばれ、設計から実装・運用まで一貫して行います。
案件によって、どちらのスキルも密接に関係しあっているため、キャリアアップのためには両方の知識を身に付けるべきです。
もしエンジニアとして始めるのであれば、バックエンドのスキルを業務で身に付け、フロントエンドは独学で学ぶのがおすすめでしょう。フルスタックエンジニアは、目指すべき目標の1つです。
まとめ
フロントエンドとバックエンドの違いは、ユーザーの目にふれ、扱うことができるか、いわば表方と裏方です。前者は文字の入力やボタンのクリックなどの見栄えを仕事にし、後者はサーバーやシステムを扱っています。
フロントエンドで身に付けるべきスキルは、以下の3つです。
- HTML/CSS
- JavaScript
- デザインフレームワーク
バックエンドでは、以下の3つを身に付けましょう。
- 言語スキル
- ミドルウェアの知識
- フレームワークのスキル
最終的には「フルスタックエンジニア」などの希少価値の高い人を目指しましょう。
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